特定社労士の比嘉です

先日、担当事業所様訪問時に人事担当より「試用期間は1年はいるな!」と言われました。詳しく伺っていく
と、試用期間終了後から自己主張が強くなり、周りとの軋轢を生むまでになっているとのことです。その方曰く、「試用期間中は猫をかぶって、終了したら、安心するのか我を出してくる。1年は様子を見る必要があるよ」とのことでした。そのような比喩に例えられる猫も迷惑な話です。

実は、試用期間の長さを決めている法律はありません。決まっているのは、「14日以内(暦日)に解雇すれば、解雇予告は払わなくていい」くらいです。わたしの、これまでの経験(この仕事を始めて23年になります)からすると3か月~6か月が平均的な設定期間です。さらに、短縮、延長規定を設けることも増えました。また、上限に関して、1年以上の試用期間は長すぎるとの裁判例もあります。

会社は、この短期間で見極める必要があるのです。

試用期間は、仕事に対する適正、能力を見極めるためのものです。会社が考える適正度、業務遂行能力は箇条書きでもいいので、書面に落とし込み、提示してください。能力不足による解雇でトラブルになることが多いですが、「言ってくれればその通りやったのに」といわれ、会社側が不利になることが多いです。

会社がやって欲しいことを具体的に例示したのち、試用期間は、1か月に1回は、「出来ているかチェック」をしてください。会社の求めるものと、本人の自己評価のズレが問題を引き起こしています。できていなければ、修正してください。試用期間中、ほっておいて、終了マギワに、「だからいったでしょ。やめてね」は通用しません。言えばやったのに論に打ち負かされることになります。