特定社労士の比嘉です。
本日はクリスマスイブ!今年もサンタさんが我が家に来てくれますように うーとーとー
給与計算間違えたシリーズパートⅡです。
給与計算で、税金の控除を間違えた場合の処理について、労働基準法には、賃金全額払いの原則があるため、処理が遅くなる分、法に抵触している状態が持続していることになります。
そもそも間違いに気づけないのは論外ですね。気づくためには、各種税金の仕組みを正確に理解する必要があります。
今回取り上げるテーマは、社会保険料と雇用保険料です。
雇用保険料は久しく変わりませんでしたが、今年10月引き上げられました。雇用保険料増えたなと実感された方も多いかと思います。引き上げの背景には、コロナ禍での雇用保険料を財源とした雇用調整助成金(売り上げが下がった会社が、仕事がないので職員を休ませ、休業手当を支払った場合、他の要件を満たせば助成される)が多く活用されたこと、昨今の経済状況から失業者が増え、それに伴い失業給付の受給者も増えたことがあります。
10月より雇用保険料の労働者負担が0.2%増え0.5%となりました。正確に控除できていますか?さらに、来年4月より0.1%増税され、0.6%になります。その時に向けて備えておきましょう!
次に、社会保険料です。保険料の決定がそもそもややこしい仕組みになっています。所得税や雇用保険料のように総支給額に税率を乗じて算出するのではなく、原則、4月~6月の3カ月間に支払われた給与額をもとに、9月から向こう1年間の社会保険料が決定します。そろばんしかなかった時代の名残らしいです(毎月そろばんで手計算させると大変だから)この3カ月間、以前は3月~5月だったのを覚えている方もいらっしゃると思います。国の統計で、4月~6カ月の賃金が多く払われていることが分かり、ずらしたそうです。
日本全国、この時期が忙しいので、給与も多く払われているのでしょう。但し、この時期以外は忙しくない方にとっては迷惑な話です。そこで、年間の平均と比べて相当差がある(2等級以上)場合、低い方を選択できる制度もあります。月額変更にも同様の仕組みができました。
先日、お客様から、「社会保険料間違えて低い控除額としてしまった。申し訳ないので会社が立て替えたい」と相談がありました。そのお気持ちはよくわかります。ですが、会社が立て替えてしまうと、「所得」となってしまします。本来職員が負担すべき税金を会社が肩代わりしますので、当然、所得とみなされます。所得税や住民税などにも影響してしまいますので、適正に処理しましょう。
保険料の清算のやり方ですが、給与明細に、清算額を記載します。控除欄に項目を設けますが、名称は「社会保険料調整」とすることが多いです。健康保険料、厚生年金保険料の項目に調整額を加えて控除する方法では、分かりにくく、されなる説明を求められることが多いです。合算して請求してしまうと、分かりにくくなります。
また、控除額が高額になった場合、分割での対応をお勧めしています。