特定社労士の比嘉です。

昨年10月から男性が育児休業を取りやすくするために、産後パパ育休が新設されています。男性の育児・家事参加に向けて、この日本でも本格的に取り組みが始まっています。 

皆さんは「イクボス」なる言葉を聞いたことはありますか?「イクボス」とは、男性の従業員や部下の育児参加に理解のある経営者や上司を指します。子育てに積極的に関わる男性をイクメンと呼ぶのに倣い、そのイクメンを職場で支援するために、部下の育児休業取得を促すなど、仕事と育児を両立しやすい環境の整備に努めるリーダーのことを指します。

部下が「妻が来週出産します」と報告すると、上司は「子どものためにも、今まで以上に働けよ!」というのがよくある事例です。一方、イクボスは、「これからは、だらだらと仕事せず、短時間で成果を出す働き方をしなきゃな。ワークライフバランスだ!早く帰って家族を大事にしろ」となります。

イクボスの推奨とは、育児をさせることだけが目的ではなく、仕事をできるだけ効率化する、あるいは急な不在にも対応できるよう仕事の標準化、共有化を進めるという業務改革に他なりません。実際は、言葉の裏にある本当の意味を忘れて、あべこべな運用となっているケースを散見します。イクボスですと、本来の仕事をせずに、育児さえすればよいという風潮になってしまうのです。また、ワークライフバランスですと、仕事をないがしろにして、個人の生活だけを主張しているというケースもあります。これらの制度導入の際は、理念から計画を落とし込み、立案、実行することが必要です。

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