特定社労士の比嘉です。

給与計算を担当されている皆様。毎月大変お疲れ様です。特に12月は給与計算に加えて、賞与や年末調整とさらに負荷がかかる時期ですね。

計算に間違いがないことが当たり前で、たまに間違えると、キツク叱られ、毎月給与計算の時期は胃が痛くなる思いで業務に励んでいることと思います。それでいて、「いつも正しく計算してくれてありがとう」と言われるのは稀だと思います。職場の声を代弁して私から感謝申し上げます。いつも給与計算していただきありがとうございます!!

先日、役職者でない社員に管理職手当を半年も支給してしまったと相談を受けました。半年分なのでそこそこな額です。そこそこな額ですが、次回の給与からまとめて天引きできるかの相談でした。

まず、誤って支払った分は返してもらえます。会社や給与担当者に過失があった場合でも返還してもらえます。また、給与担当者に過失があった場合は、その度合いに応じた懲戒処分を課すこともできます。会社にも管理責任がありますので、給与担当者がミスしたからといって、毎回ミスした額を請求することはできません。

次に、過払い分を給与から控除できるかについてですが、労基法に全額払いの決まりがあり、原則はできません。

では、どのような手続きを踏めば控除できるかですが、過払い分を給与から控除しますとの労使協定があれば例外として認められます。同時に社員の同意も得る必要があります。

さらに、過払い分をまとめて天引きできるかについて、「4分の1が限度である」との判例があります。また、控除の時期もなるべく早い時期に行うようにとの判例もあります。

いずれにしても、社員へ丁寧な説明をし、同意を得たうえで、あまり高額な返済額にならない配慮が必要です。

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