特定社労士の比嘉です。

最近、担当事業所様より質問を受けることが増えました。伺ってみると、厚労省作成のモデル労働条件通知書に記載されているとのこと。モデルを見てみると、下部に「就業規則を確認できる場所や方法(   )」と赤字で記載があります。

労働条件通知には、必ず明示すべき項目(絶対的明示事項)、決まっていたら明示すべき項目(相対的記載事項)があります。調べてみると、この明示事項については、改正はありませんでした。就業規則を確認できる場所や方法については、絶対的明示事項とはなっていません。よって、タイトルの質問に対しては、記載しなくてもよいとなります。

詳細については下記ご参照ください。

参照:令和5年改正労働基準法施行規則等に係る労働条件明示等に関するQ&A

001156119.pdf (mhlw.go.jp)

そもそもですが、就業規則は周知されていなければ効力を発揮しません。例えば、試用期間中に就業態度がなんだかなーだったので試用期間終了後解雇したとします。就業規則が周知されていなければ、この処分は無効になります。もちろん同意があれば解雇できますが、同意しないことがほとんどです。

周知の方法として、以下3点が示されています。

①常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、または備え付ける、
②書面を労働者に交付する、
③磁気テープ、磁気ディスクその他これらに準ずる物に記録し、かつ、各作業場に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置する、があげられています。

如何でしょうか?「見たければ部長に声をかけてカギをかりなさい」などとしていませんか?紛失を恐れるあまり(別の理由もあるかもしれません)金庫などに入れて保管してしまおうものなら周知義務を果たしていないことになります。

モデル労働条件に記載されたのも、このような実態を把握しているからなのかもしれません。

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