新人社労士の新田です。
就業規則がない場合に懲戒処分をすることができるのかと質問がありました。
結論からいうと就業規則なしに懲戒処分をすることはできません。
刑法には罪刑法定主義という原則があります。罪刑法定主義はどのような犯罪行為が処罰の対象となるかはあらかじめ明示しておかなければならないという原則です。
罪刑法定主義の考え方は懲戒処分にも当てはまり、どのような行為が懲戒処分の対象となるかは就業規則で示したうえで(労働基準法89条9号)、使用者は就業規則の周知をしなければなりません(労働基準法106条)。
フジ興産事件(最高裁平成15年10月10日)では就業規則で懲戒について規定を定めていましたが周知を行っていなかったため懲戒解雇を無効としています。