特定社労士の比嘉です。
師走とはよく言ったもので、あっという間に12月の最終出勤日を迎えました。
ふと頭によぎったのは「今年はパワハラの相談が多かったな」です。昨年からパワハラ防止法が中小企業にも適用され、防止に向けた取組みをする中で、以前からあった問題が顕在化してきたとも言えます。
全国的にも、行政のトップをはじめとして、パワハラ被害のニュースがあふれていた感があります。
パワハラは① 優越的な関係を背景とした言動であって② 業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより③ 労働者の就業環境が害されること この3つすべてを満たすものとされています。3つ満たさないから許されるというものでもなく、パワハラも含めてハラスメントを防止しなければならない理由について、今一度考える必要があります。
企業においては、ハラスメントにより職場での能力発揮を阻害され、業績の低下につながります。ハラスメントを受け続けると、休職に追い込まれるなど、職員自身の健康を害し、取り返しのつかないことになりかねません。
「ハラスメントを受けたら拒絶すればいいじゃないか!」ハラスメントセミナーの休憩時間に受講生から言われた言葉です。友達付き合いなら逃げられますが、職場は逃げられません。仕事の責任もあります。上下関係などがあれば強く拒絶することはKYを除きできないと思います。
今年、宝塚でパワハラを苦に自死したとされる事件がありました。パワハラをそうとらえない、古い職場の体質や倫理観の欠如があったと想像できます。指導・教育に名を借りたいじめ、集団的な職場いじめがあったのではないでしょうか。
パワハラが起こりやすい職場環境の問題として、上司と部下のコミュニケーションが少ない、残業が多い、休みが取り難い、失敗が許されない、失敗への許容度が低いなどがあげられます。
パワハラを予防するためには、ハラスメントについての十分な理解、円滑な職場コミュニケーションの醸成が不可欠です。
最後に職場のいじめ問題に関する会議で紹介されたメッセージをご紹介して本日のブログを閉じたいと思います。
「すべての社員は、その家族にとって、自慢の娘や息子であったり、尊敬されるお父さんやお母さんであったりする。そんな人たちを、職場のパワー・ハラスメントで苦しめたりすることがあってはいけない。」