特定社労士の比嘉です。
労務担当者にとって新たな頭痛の種発生です。労働条件明示のルールに変更があります。
最近はあまり聞かなくなりましたが、「労働条件通知書って何?」「もらったことも、渡したこともない」なる話を労務担当者がこぼしていた時代もありました。
そもそも労働条件明示ルールについてよく理解していない場合、今回の変更で混乱に拍車がかかるのではと懸念しています。実際、相当混乱しているなと思われる質問が殺到しています。お困りの方へ、お役立ち情報を提供すべく、投稿に努めます!
変更の内容の前に、そもそもなにを明示すればいいのかからお伝えします。
労働基準法で、事業主は、労働契約の締結に際し、働く者に対して、賃金、労働時間その他一定の労働条件を明示しなさいと決められています。また、労働条件の明示について、嘘をついてはいけませんと定めています。
明示事項については、厚労省のモデル通知書がありますので、下記リンク参照ください。
明示事項は様々なものがあります。働く場所、やってもらうこと(業務内容)も明示事項です。これまでは採用直後(契約社員のかたは、更新の都度)の内容を明示すれば事足りました。来年4月1日以降は、変更が予想されれば、それを明示してくださいとなりました。会社が1つしかなければ、働く場所は1つなので、「変更はありません」と明示することになります。いくつか拠点があり、転勤もお願いしたいのであれば、「本社およびすべての支店」などと明示します。転勤は想定されるのに、「本社のみ勤務」と明示した場合、前述した「嘘をついてはいけません」ルールが発動します。法に抵触することになります。
このような細かい取り決めがされたのは、言った言わない、聞いてないのトラブルが多いからだと思います。「働く場所に変更の予定があればそもそも働かなかったのに」とのトラブルを未然に防ぐ目的があります。
会社としては、ありのままさらけ出し、それでも働いてくれますかと明示することが求められます。
業務内容も同様です。変更の可能性があれば「会社すべての業務への配置転換あり」などと明示することになります。