特定社労士の比嘉です。
先日担当事業所様より相談がありました。「これから固定残業制度を導入したいが、そもそも時間の上限はあるのか」といろいろお悩みのようでした。
固定残業時間については、特に定めはありません。過去の判例を見ると、80時間でも認められたケースや、そもそも認めなかったものもありました。
以前、固定残業制度を導入している事業所に、労働基準監督署の調査に同席したことがあります。その際、3点セット(就業規則への規定、労働条件通知書への明記、毎月明示される給与明細への記載)を遵守してくださいとの指導はありましたが、上限時間については特にコメントはありませんでした。
そもそも時間の上限については、法定外労働時間の上限を参考に決定するのがいいと考えています。
1か月の上限は45時間(1年変形を導入している場合は42時間)ですので、45時間としている会社さんも多いです。ですが、1年の上限は360時間(1年変形を導入している場合は320時間)との規定もあります。特別に忙しい場合は別段の許可を受けることで年6回まで超えることはできますが、固定残業時間の趣旨を考えると、この360時間を12カ月で除した30時間を基準に考えるべきです。
先日弁護士さんのセミナーを受講しましたが、その中で、某大手広告代理店はこれまでの経験則から固定残業時間を30時間にしているとの話が印象に残りました。