特定社労士の比嘉です。

最近「第二定年」なる言葉を見かけることが増えました。そもそも定年に第一、第二があるのかと不思議に思われる方も多いと思います。ラジオ体操のようです。

この「第二定年」正式な法律用語ではありません。定年について、厚労省作成モデル就業規則の解説を引用すると「定年とは、労働者が一定の年齢に達したことを退職の理由とする制度をいいます。労働者の定年を定める場合は、定年年齢は60歳を下回ることはできません(高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(昭和46年法律第68号)第8条)。」

分かりやすく言うと、雇用期間の定めがない方(いわゆる正社員であることが多いですが)について、退職する年齢を定めることを言います。法律上はこの定年を60歳以上にしてくださいとしています。

平成 25 年4月1日に改正労働契約法が施行され、無期転換ルールが規定されました。無期転換ルールとは、同一の使用者(企業)との間で、有期労働契約が更新されて通算5年を超えたときに、労働者の申込みによって無期労働契約に転換されるルールのことです。

これまで、定年の概念がなかった契約社員について、5年を超えると契約期間の定めをなくしてほしいとの申し出ができ、事業主はこれを拒否できなくなりました。これまでは、この制度について、周知義務はありませんでしたが、令和6年4月以降に締結する雇用契約書上明記することとなりました。「次の契約期間中、いつでも無期変更の申し込みができますよ」との旨を通知することになります

さらに、正社員が定年後に有期雇用で再雇用された期間について通算5年を超えると、無期転換権が発生します。これらに対応するために、正社員の定年に加えて、もう一つの定年を設定する必要が生じました。これが第二定年です。この第二定年を設定しない場合「私死ぬまではたらきます」問題が発生する可能性があります。

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